リンパ系 |
組織液またはリンパ(広義)=毛細血管から組織へ滲出した体液 |
●リンパ系の特徴4つ |
@駆動装置がない |
A弁が発達 |
B骨格筋の収縮や動脈の拍動→圧迫→リンパの還流の促進 |
C左右静脈角(内頚静脈と鎖骨下静脈の合流部)で静脈に注ぐ |
●リンパ系は以下の5つからなる |
@毛細リンパ管 Aリンパ管 Bリンパ節 Cリンパ本幹 Dリンパ性器官 |
●生体の免疫反応 |
Tリンパ球(胸線由来)→細胞性免疫 |
Bリンパ球(骨髄由来)→体液性免疫 |
@毛細リンパ管 |
単層内皮細胞(毛細血管と同じ)、末端は盲状 |
Aリンパ管 |
毛細リンパ管の合流部 |
多くの弁を有し数珠状の外形 |
Bリンパ節 |
リンパ管の途中にある濾過装置(生体防御装置)→リンパ球を産出し免疫抗体と生産 |
所属リンパ節の形成(腋窩、鼠径、気管支肺リンパ節) |
Cリンパ本幹 |
全身のリンパ管は一定部位の所属リンパ節からのものが合して作られる |
1.胸管
左上半身と下半身のリンパを集める |
第二腰椎の前方で腰リンパ本幹と左右の腰リンパ本幹の合流してできる乳び槽からできる |
脊柱前面上行し左静脈角に合流 |
2.右リンパ本幹 右上半のリンパを集め、右静脈角に合流 |
3.その他のリンパ本幹 頸、鎖骨下、気管支縦隔、腸、腰 リンパ本幹 |
Dリンパ性器官 |
a脾臓 |
脾門 脈管や神経の出入り |
脾髄 赤脾髄・・・老朽赤血球の破壊、血小板の予備蓄積。脾洞が存在 |
白脊髄…リンパ球生産 |
b胸線 |
リンパ球産出。成人では脂肪化 |
c扁桃 |
咽頭を囲むような存在。咽頭に入ってくる細菌を除去 |
dパイエル板 |
小腸:空腸・・孤立リンパ節 |
:回腸・・集合リンパ節(パイエル板)腸内細菌の破壊と侵入を防ぐ |
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●抗体=免疫グロブリン IgG・IgM・IgA・IgE・IgD (Ig+GがんばってMもっとAあEえいDで) |
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呼吸器系 |
空気の経路:気道(鼻腔→咽頭→喉頭→気管→気管支) |
ガス交換:肺 |
1.鼻 |
a.外鼻と鼻腔 |
@外鼻:鼻根、鼻背、鼻尖、鼻翼からなる。下面は外鼻孔 |
A鼻腔:鼻前庭・・・・・・・・外鼻孔から1〜2p奥。鼻毛により空気の濾過装置 |
上・中・下鼻道・・外側壁、上・中・下鼻甲介からなる |
総鼻道・・・・・・・・鼻中隔と鼻甲介の間 |
鼻中隔下部・・・・キーゼルバッハ部位。鼻出血の出やすい所。 |
b.副鼻腔・・上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞 |
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2.咽頭(省略:テスト範囲外) |
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3.喉頭 |
●喉頭・・C4〜C6の高さ、気道の一部、発声器 |
a.喉頭軟骨 |
上:尖、下:底、底外:筋突起、底前方:声帯突起(声帯突起と甲状軟骨の間声帯靱帯) |
@甲状軟骨(不対性) |
喉頭隆起:アダムのリンゴ(のど仏)。舌骨下方 |
A輪状軟骨(不対性) |
甲状軟骨下方 |
B喉頭蓋軟骨(不対性) |
舌基部。嚥下時食塊の迷入防止 |
C披裂軟骨(対性) |
輪状軟骨後部上方。 |
b.喉頭筋 |
○上喉頭神経・・輪状甲状筋 下喉頭神経・・その他の筋 (上、下喉頭神経はいずれも迷走神経の枝) |
@輪状甲状筋(上喉頭神経支配) |
喉頭の外面唯一の筋 |
甲状軟骨を前下に引く→声帯ヒダ緊張 |
A後輪状披裂筋 |
声門筋を開く唯一の筋 |
B外側輪状披裂筋 |
停止;披裂軟骨突起 |
C横披裂筋 |
左右両側披裂軟骨連結 |
D斜披裂筋 |
停止;対側の披裂軟骨尖 |
E披裂喉頭蓋筋 |
停止;喉頭蓋軟骨 |
喉頭口括約筋 |
F甲状披裂筋 |
声帯筋・・声帯ひだの緊張の低下 |
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c.喉頭腔 |
上:前庭ヒダ 下:声帯ヒダ これらによって喉頭腔は上、中、下に区分される |
喉頭前庭:喉頭口〜前庭ヒダ |
喉頭室:前庭ヒダ〜声帯ヒダ |
声門下腔;声帯ヒダ〜下方 |
●声門・・声帯ヒダと声門裂(左右声帯ヒダの間) |
■発生の仕組み |
左右声帯ヒダを近づける(声門裂の閉鎖)→肺から呼気を送る→声帯ヒダが振動、喉頭原音の発生 |
声の高さ:声帯緊張度をかえる 低音:緊張緩む |
声の大きさ:空気の量 |
色々な声:音色、共鳴腔 |
●喉頭筋(輪状喉頭筋以外)は迷走神経(反回神経)により支配 |
→圧迫マヒ(しわがれた声(嗄声)失声) |
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4.気管と気管支 |
(気管)長さ10cm×太さ2cm |
食道の前方 |
C6〜T4→左右主気管支に分かれる |
<気管・主気管支の構造> |
内側@粘膜 |
↓ A気管・軟骨気管支軟骨 平滑筋 |
外側B外膜 |
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@粘膜:多列線毛上皮 |
杯細胞混在 |
粘膜下には気管・気管支腺=分泌物:痰 |
A中層:前〜側壁には気管では馬蹄状の気管軟骨存在(外圧による気道閉鎖防止) |
後壁に軟骨はない-膜性壁(平滑筋存在) |
B外膜:繊維性被膜 |
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※気管支平滑筋の病的痙攣=気管支喘息 |
主気管支(気管支):気管から分岐後2〜3cmで肺に達する |
右気管支:太・短・傾斜が急→誤嚥した異物は右肺に入りやすい |
左気管支:細・長:緩やか |
(気管-気管支-気管支枝-終末細気管支-呼吸細気管支-肺胞) |
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5.肺 |
半円錐状 |
下方:肺底:横隔膜に面する |
上方:肺尖:鎖骨上2cm |
内側面:縦隔、外側:肋骨 |
内側中央:肺門 (肺動脈・静脈→機能血管・気管支動脈・静脈→栄養血管) |
6つ (気管支・肺リンパ管・交感神経・迷走神経) |
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右肺:斜裂・水平裂により3葉(上・中・下葉)約1200ml、約600g |
左肺:斜裂により2葉(上・下葉)約1000ml、約500g |
肺表面:肺小葉(多角形、小区画) |
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<胸膜と縦隔> |
肺を覆う漿膜・胸膜 |
肺表面を覆う:臓側胸膜 |
胸壁を覆う:壁側胸膜(肋骨胸膜,横隔胸膜,縦隔胸膜に分けられる) |
臓側胸膜・壁側胸膜は肺門で連続。両者の間隙は胸膜腔を形成=漿液を入れる(呼吸の摩擦をなくす) |
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<縦隔> |
胸膜の間 |
心臓より上方:上部 |
下方:下部 (前部・中部・後部) |
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Y感覚器系 |
A.外皮(皮膚)、B.視覚器(目)、C.平衡聴覚器(耳)、D.嗅覚器(鼻)、E.味覚器(舌) |
A.外皮 |
身体の表面を覆う皮膚の変形物(1.皮膚、2.角質器、3.皮膚腺) |
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1.皮膚 |
全表面的 成人約1.5u〜2.0u→1/3以上を損傷すると生命に危険 |
身体各部の皮膚表面積が全表面積に対し占める割合→9の法則 |
a.皮膚の構造(表皮・真皮・皮下組織) |
(1)表皮 |
最表層、重層扁平上皮(粘膜上皮に相当)、表層より5層に区分、血管は表皮には分布しない |
1.角質層:角化して死んだ細胞が脱落(垢) |
2.淡明層 |
3.顆粒層 |
4.有棘層 |
5.胚芽層
(基底層):皮膚上皮細胞新生、メラニン細胞がある |
※メラニン細胞:皮膚に色を与える、有害を紫外線から皮膚深層を保護、メラニンを産生 |
(2)真皮(結合組織) |
乳頭層:血管、感覚神経を含む、網状層:汗腺、毛包、脂腺、血管神経を含む |
(3)皮下組織(疎性結合組織) |
脂肪細胞含有→皮下脂肪組織(衝撃吸・収防寒など) |
多:頬、乳房、下腹、殿部、手掌、足底、少:目瞼、耳介、陰のう |
b.皮膚の機能 |
@感覚器、A体表保護、B排泄(汗)、C体温調節、D栄養分貯臓 |
c.皮膚感覚器 多くの感覚器が分布する |
@表皮・真皮・・・・・・・・・・・自由神経終末(温、痛、冷覚) |
A真皮乳頭・・・・・・・・・・・・マイスネル小体(触) |
B真皮・・・・・・・・・・・・・・・・クラウゼ小体(触) |
C真皮・・・・・・・・・・・・・・・・ルフィニ小体(圧) |
D毛包・・・・・・・・・・・・・・・・自由神経終末(触) |
E毛乳頭・真皮深層・・・・・・自由神経終末(痛) |
F層板小体・・・・・・・・・・・・・ファーター・パチニ小体(圧) |
G神経終末の球状小体・・・ゴルジ・マッツォーニ小体(触) |
H体の無毛部・・・・・・・・・・メルケル細胞(触・圧) |
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2.角質器(毛・爪) |
a.毛 |
全身の皮膚にある(手掌、足底、小陰唇部を除く) |
毛・・・・・・・毛根-皮膚に埋没(末端、毛球、毛乳頭)、毛幹-表面に出る |
毛球・・・・・皮膚胚芽層に相当、毛の成長 |
毛乳頭・・・血管にとむ |
毛包・・・・・毛根の被膜、内層:上皮性、外層:結合組織性、立毛筋(平滑筋)、脂腺が付属 |
b.爪 |
爪体:露出している部分、深層→爪床(表皮胚芽層、真皮) |
爪根:皮膚の中 |
爪の成長:爪根と爪体基部の胚芽層 |
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3.皮膚腺 (汗腺・脂腺・乳腺) |
a.汗腺 終末部、真皮深層 |
(1)エクリン腺 |
全身に広く分布、特に豊富→手掌・足底、汗を分泌する |
汗:大部分は水分、体温調節、代謝産物排泄、暑い日7L/日分泌 |
(2)アポクリン腺 |
分泌物:タンパク質・脂肪を含む→分解されると特有の臭い(体臭の元) |
腋窩、乳輪、外耳道、肛門周囲に多い |
b.脂腺 |
毛包に付属するもの多、毛と無関係(独立脂腺):口唇、鼻、前庭、亀頭、陰核、乳頭など |
脂肪からの分泌物:皮脂(脂質+細胞残骸)、脂肪の導管が詰まる:ニキビ |
c.乳腺 |
乳汁分泌、乳腺口→最初の妊娠により発育完了 |
乳房:皮膚、乳腺→乳頭に開口 |
乳頭基部:乳輪(乳輪腺)=モントゴメリー腺(アポクリン腺) |
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B.視覚器 |
主部:眼球 |
副眼器:眼瞼、結膜、涙器、眼筋 |
1.眼球 |
a.眼球壁 |
(1)眼球外膜 |
外層:線維性結合組織、後方:強膜、前方:角膜 |
強膜:後方の5/6(白目)、前縁:強膜静脈洞(ジュレム管)→眼房水吸収→毛様体静脈 |
角膜:前方1/6(黒目)、透明体→奥に 虹彩・瞳孔 が見える、カメラレンズに相当(光を通過) |
血管はない、神経が豊富:感覚が鋭敏 |
(2)眼球中膜(ぶどう膜) 脈絡膜・毛様体・虹彩、血管、神経に富む、メラニン色素含有 |
脈絡膜:強膜内方、中膜大部方、メラニン色素含有、カメラの暗箱、血管:網膜に栄養供給 |
毛様体:脈絡膜前方、毛様体筋(平滑筋)有する、毛様体小帯→水晶体に付く(水晶体弯曲調節) |
虹彩:毛様体前方、瞳孔を取り囲む、眼球に入る光の量を調節(カメラの絞り)、血管・神経・色素に富む |
平滑筋(拮抗支配):瞳孔括約筋(動眼神経支配)⇔瞳孔散大筋(交感神経支配) |
瞳孔括約筋 収縮 縮瞳(瞳孔を小さくする) |
瞳孔散大筋
散瞳(瞳孔を大きくする) |
瞳孔反射(対光反射):瞳孔は明るい所で「縮瞳」、暗い所で「散瞳」 |
(3)眼球内膜 |
最内層=網膜(内層・外層、視細胞(光感受)と色素上皮含む) |
網膜:外層-色素上皮層 |
内層-神経層(感覚細胞(視細胞)を含む) |
胚体:暗い所で光の強弱=明暗感知 |
錐体:明るいところで色を感知、形をはっきりさせる。 |
黄班:錐体多い |
中心窩:黄班の中心、錐体のみ、物体の形が最も鮮明、物体注視→中心窩に結像 |
視細胞→刺激→双極細胞→視神経円板→視神経 |
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b.眼球内容物 眼房水・水晶体・硝子体 |
(1)眼房水前眼房と後眼房を満たす一種のリンパ液 |
前眼房:角膜と虹彩の間 |
後眼房:虹彩・毛様体と水晶体の間 |
毛様体→後眼房→前眼房→角膜・水晶体→強膜静脈洞→毛様体静脈 |
(2)水晶体 |
虹彩の直後、光の屈折装置、レンズの役割、加齢→水晶体混濁→白内障 |
(3)硝子体 |
水晶体と網膜の間、視細胞の密着、眼球を球状に保つ |
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2.副眼器 |
(1)眼瞼と結膜 |
眼瞼:眼球前面(上眼瞼・下眼瞼)、前面(皮膚)、後面(結膜) |
眼瞼内部:眼輪筋・上眼瞼挙筋、眼瞼板(マイボーム腺=脂腺からなり睫毛後方開口) |
結膜(3部からなる) |
眼瞼結膜:眼瞼後面を覆う(貧血診断) |
眼球結膜:眼球を覆う |
結膜円蓋:眼瞼結膜〜眼球結膜へ移行 |
(2)涙器 |
涙腺:涙分泌(漿液腺)、涙路:涙の通路 |
涙:無色透明、約98%水分、弱アルカリ性食塩水、リゾチーム(細菌溶解酸素) |
涙点→涙小管→涙のう→鼻涙官→下鼻道 |
(3)外眼筋(6種) |
眼球運動に関与、横紋筋、直接・眼球に付着 |
上直筋、下直筋、内側直筋、外側直筋−外転神経、上斜筋−滑車神経、下斜筋 |
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※復習ポイント |
視覚:後頭葉 外側膝状体 |
聴覚:側頭葉 内側膝状体 |
味覚:中心後回 |
嗅覚:辺緑系 扁桃体 乳頭体 |
触圧覚:中心後回 |
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